「4当5落」は令和も健在? 受験生の約75%が睡眠7時間未満、「4当5落」を知らない保護者は半数以上

受験シーズン本番、受験生はどれくらい眠れている?
10月に入り、総合型選抜や学校推薦型選抜の本番が始まりました。受験シーズンが本格的に到来しています。追い込みの時期になると、受験生の睡眠時間は削られがちです。その背景には、保護者世代に根付く「4時間睡眠なら合格、5時間なら不合格(4当5落)」という価値観が影響しているのでは、という声もあります。
そこで、快眠グッズ紹介サイト「快眠ランド」を運営するムーンムーン株式会社が、「受験生の睡眠と親の意識」に関する調査を行いました。対象は、高校3年生または中学3年生の子どもがいる全国の保護者181名です。調査期間は2026年10月5日~2026年10月15日で、インターネット調査の形式で実施されました。
かつての受験戦争時代には、睡眠を削って勉強することを美徳とする「4当5落」という言葉が広く知られていました。一方、現代の睡眠科学では、記憶の定着や集中力の維持に十分な睡眠が欠かせないことが常識になっています。今回の調査は、親世代の古い常識が無意識のうちに受験生の睡眠を削る後押しをしていないかという問題意識から行われました。保護者の意識と、受験生が抱える睡眠課題の実態に焦点を当て、受験と睡眠の理想的なバランスを見直すきっかけを提供することが目的です。

約4分の3が「7時間未満」、睡眠を削る理由にはスマホも
受験生の平日の平均睡眠時間をたずねた結果は、次のとおりです。
- 6〜7時間未満:37.0%
- 5〜6時間未満:32.6%
- 7〜8時間未満:17.1%
- 5時間未満:5.0%
- 8時間以上:4.4%
- 把握していない:3.9%
「6〜7時間未満」「5〜6時間未満」「5時間未満」を合わせると74.6%になります。調査では、受験生の約4分の3が推奨される睡眠時間を下回っており、慢性的な睡眠不足のまま受験期を過ごしている生徒が多数派を占めていると分析しています。
睡眠時間が短くなる理由で最も多かったのは、「塾や予備校からの帰宅が遅い」と「スマホやSNS」で、いずれも19.5%でした。続いて「自宅での受験勉強」が18.9%、「ゲームや動画」が13.2%、「学校の課題が多い」が12.0%、「その他」が16.9%です。勉強だけでなく、デジタルデバイスへの接触も大きな割合を占めていました。調査では、デジタルメディアとの付き合い方が睡眠不足の深刻な要因になっていることがうかがえるとしています。
日中の様子で最も気になるのは「朝なかなか起きられない」
保護者が子どもの日中の様子で気になることとしては、「朝なかなか起きられない」が22.4%で最多でした。以下、「集中力が続かない様子」が14.3%、「イライラしやすい」が12.4%、「成績が伸び悩んでいる」が10.9%、「体調を崩しやすい」が10.2%と続きます。「その他」は29.8%で、その中には「休日は昼過ぎまで寝ている」9.9%、「特にない」9.3%、「食欲がない」4.3%などが含まれます。調査では、睡眠を削った結果、日中の学習効率や精神状態に悪影響が出ている様子が見て取れるとしています。

「睡眠を削ってでも勉強」に否定派が半数弱、「4当5落」はもう過去の言葉に?
「受験期は、睡眠時間を削ってでも勉強時間を確保したほうがよい」という考えについては、「あまりそう思わない」が32.6%で最も多い結果でした。続いて「どちらともいえない」が25.4%、「ややそう思う」が21.5%、「そう思わない」が15.5%、「そう思う」が5.0%です。否定派は合計48.1%で、肯定派の26.5%を上回りました。調査では、多くの保護者が頭では「睡眠を削るべきではない」と理解しているものの、実際には子どもの睡眠時間が短いというジレンマを抱えているようだとしています。
「4当5落」という言葉の認知度もたずねています。結果は「知らない」が50.3%、「知っているが、古い言葉だと思っている」が32.6%、「聞いたことがある程度」が12.7%、「知っていて、睡眠より勉強を優先している」が4.4%でした。保護者世代の半数以上が「知らない」と回答しています。この考え方を現役の価値観として支持している層はごくわずかで、すでに過去の言葉になりつつあると分析されています。

これからの合言葉は「六当五落」
調査のまとめでは、「4当5落」という精神論はすでに過去の価値観となり、多くの保護者が「睡眠を削っての勉強」に否定的であることが明らかになったとしています。その一方で、受験生の約75%は睡眠7時間未満という短い睡眠を強いられているのが現実です。その要因として、塾や課題といった学習面に加え、スマホや動画などデジタルデバイスへの依存も同程度に影響しているという、現代ならではの複雑な構造が浮かび上がりました。こうした結果を踏まえ、十分な睡眠でパフォーマンスを維持する「六当五落(6時間以上しっかり眠れば合格、5時間未満に削ってしまうと不合格)」へと常識をアップデートすることを提案しています。あわせて、スマホの使用ルールを含めた生活のタイムマネジメントが求められているとしています。
快眠ランド運営者の竹田 浩一さんは、「4当5落」という言葉が保護者世代からも薄れつつあることに、睡眠の専門家として少し安心したとコメントしています。一方で、十分な睡眠がとれている受験生は少ないと指摘します。慢性的な睡眠不足が「朝起きられない」「集中力低下」といったパフォーマンスの低下を招いていることは見過ごせないとしています。竹田さんは、睡眠は日中に学習した記憶を整理し、脳に定着させるための重要な「受験対策」の一つだと説明します。睡眠を削って勉強時間を無理に増やすと、かえって学習効率を下げる原因になるとも述べています。そのうえで、睡眠を「削るもの」ではなく「武器にするもの」と捉え直し、現代版の「六当五落」を実践することが合格への確かな近道になると語りました。快眠ランドは今後も、児童や学生、そして保護者に向けた睡眠の啓発活動を通じて、健やかな学びの環境づくりを応援していくとのことです。
出典:ムーンムーン株式会社